京都・宇治市のケイ・アイ&パートナーズ税理士法人(旧:黒瀬税理士事務所)では、年に30社程度法人の設立サポートを行いますが、実は法人設立より、設立後の手続きが大変だ!というお話をよくお聞きします。
今回は提出先ごとに法人設立後どのような手続きが必要かを主なものだけまとめてみました。
法人設立を考えておられる方や法人設立直後の方は必見です。
- 1 税務署
- 1-1 法人設立届出書(税務署)
- 1-2 青色申告の承認申請書(税務署)
- 1-3 給与支払事務所等の開設届出書(税務署)
- 1-4 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(税務署)
- 1-5 その他の届出(税務署)
- 2 都道府県税事務所
- 3 市区町村役所
- 3-1 法人設立届出書(市区町村役所)
- 4 金融機関
- 4-1 法人口座開設申込書(金融機関)
- 5 年金事務所
- 6 労働基準監督署
- 7 職業安定所(ハローワーク)
税務署
●法人設立届出書
法人を設立された場合、商号や本店所在地、事業年度などを記載して提出する必要があります。
主な添付書類
- 定款コピー
- 登記事項証明書
- 株主名簿
- 設立時の貸借対照表
提出期限
法人設立登記の日から2か月以内
●青色申告の承認申請書
設立1期目から青色申告を行いたい場合には、提出期限まで提出する必要があります。
メリット
主な添付書類
なし
提出期限
原則として法人設立の日から3か月以内
*実務上では、各種特典が受けられること、決算申告の信用度が向上するなど、ほとんどの法人が青色申告を選択されます。
●給与支払事務所等の開設届出書
役員報酬や従業員へ給与の支払いをする場合に提出する必要があります。
主な添付書類
なし
提出期限
給与支払事務所等の開設の日から1か月以内
●源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
給与支給人員が常時10人未満の場合、申請することにより適用を受けることができます。
原則は徴収した日の翌月10日が納期限になりますが、納特の申請を提出すると年2回にまとめられます。
1月~6月に徴収した源泉所得税・・・納期限:7/10
7月~12月に徴収した源泉所得税・・・納期限:翌年1/20
主な添付書類
なし
提出期限
随時 原則、提出した日の翌月から適用
*事務効率向上のため、実務上では毎月納付書を作成するより、納特が適用できる場合は、半年に一回にまとめて納付書を作成及び納付を選択される事が多いです。
●その他の届出
消費税課税事業者選択届出手続・・・輸出事業者など1期目から消費税の還付を受ける場合
提出期限
原則:適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで
事業を開始した日の属する課税期間である場合には、その課税期間中
提出期限
設立後最初に到来する確定申告期限
実務上では、上記の法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の4つの届出及び申請を行うことがほとんどです。
その他の届出は特別に必要のある場合にのみ提出しています。
国税庁のホームページで個々にダウンロードして作成するのもいいですが、法人設立届出書等が無料で簡単に一括作成できるおすすめのサイトが、freeeが提供する「会社設立freee」です。
法人設立届出書を作成出力 → ▶会社設立freee
また、会社設立後、確定申告を行う時に便利なのが「e-tax」です。
大法人は電子申告が義務化されましたが、中小企業も電子申告を行うことができます。
ダイレクト納付を利用するとパソコンなどで納税もできるので便利です。
会社の設立届等も提出することができますのでチャレンジしてみられてはいかがでしょうか。
電子申告・申請 → ▶国税庁 e-taxページへ
都道府県税事務所
●法人設立届出書
法人を設立された場合、商号や本店所在地、事業年度などを記載して提出する必要があります。
注)宇治市などの京都市以外の市区町村は、京都府(京都地方税機構)への法人設立届出書を提出すれば、個別に提出する必要はありません。
主な添付書類
- 定款コピー
- 登記事項証明書
提出期限
事業を開始した日から15日以内
市区町村役所
●法人設立届出書
法人を設立された場合、商号や本店所在地、事業年度などを記載して提出する必要があります。
注)宇治市などの京都市以外の市区町村は、京都府(京都地方税機構)への法人設立届出書を提出すれば、個別に提出する必要はありません。
主な添付書類
- 定款コピー
- 登記事項証明書
提出期限
市区町村により異なる
金融機関
●法人口座開設申込書
法人取引を開始するため法人名義の普通預金などを開設する必要があります。
今までの金融機関の取引にもよりますが、一般的には1週間程度掛かります。
得意先や取引先、税理士の紹介などの場合は、スムーズに口座開設できることがあります。
主な添付書類
- 認証後定款コピー
- 登記事項証明書
- 会社の印鑑証明書
京都や宇治市で取引されることが多い金融機関は下記のとおりです。
年金事務所
●新規適用届 健康保険・厚生年金
法人で常時従業員(事業主のみの場合を含む)を使用するものは、健康保険及び厚生年金の加入が義務付けられています。
加入者
常時使用される人(事業主のみの場合を含む)は、すべて被保険者となります。
*パートさんも勤務時間及び日数が、正社員の4分の3以上など一定の要件を満たすと加入義務があります。
主な添付書類
登記事項証明書など
提出期限
事実発生から5日以内
労働基準監督署
●労働保険 保険関係成立届
●労働保険 概算保険料申告書
従業員を採用される事業所は一定の場合、労災保険を加入する必要があります。
加入者
主な添付書類
登記事項証明書など(概算保険料は4月~翌年3月までの給与総額見積り金額を決定)
提出期限
- 労働保険関係成立届 労働者を雇い入れた日の翌日から10日以内
- 概算保険料申告書 労働者を雇い入れた日の翌日から50日以内
職業安定所(ハローワーク)
●雇用保険 適用事業所設置届
●雇用保険 被保険者資格取得届
従業員を採用される事業所は一定の場合、雇用保険を加入する必要があります。
加入者
*パートタイムで1週間の所定労働時間が20時間未満などは加入義務はない
主な添付書類
- 雇用保険 適用事業所設置届
- 労働保険関係成立届
- 労働保険概算保険料申告書
- 登記事項証明書
- 事業所の賃貸契約書
- 法人設立届出書など
- 雇用保険 被保険者資格取得届
- 労働者名簿
- 労働条件通知書
- 賃金台帳
- 出勤簿など
提出期限
・雇用保険 適用事業所設置届
設置した日の翌日から起算して10日以内
・雇用保険 被保険者資格取得届
資格取得の事実があった日の翌月10日まで
いかがでしょうか?
法人設立後には様々な手続きがあります。
ご自身で行われる場合の参考になればとまとめてみました。
京都・宇治市のケイ・アイ&パートナーズ税理士法人(旧:黒瀬税理士事務所)では、宇治市のみでなく京都や滋賀などのエリアでも、法人の設立から法人設立後の手続きサポートや無料相談を予約制で行っています。
司法書士、社会保険労務士とも提携をしていますので、お気軽にご相談ください。
税金関係の設立届出等をすべて税理士へ丸投げして頂くことも可能です。
法人設立関連は、下記リンクの記事もご参考にしてください。
▶税理士が教える法人設立
▶税理士が教える法人成りによる税金比較