小規模事業者を対象とした補助金で日本商工会議所等が申請先となる「小規模事業者持続化補助金」がございます。この補助金はあくまで使った事業経費の補助であり、採択されない限り補助の対象にはなりません。その点、持続化給付金や助成金とは内容が異なります。今回は、小規模事業者持続化補助金について簡単に説明させて頂きます。
持続化補助金とは
小規模事業者等が行う販路開拓や生産性向上の取組に要する経費の一部を支援する補助金です。
2020年9月現在、小規模事業者持続化補助金には、一般型とコロナ特別対応型があり、補助率や補助金限度額などに違いがあります。
持続化補助金の種類
一般型
小規模事業者等が商工会議所等の助言等を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って地道な販路開拓等に取組む経費の2/3が補助される補助金です。
販路開拓等に取組む経費とは、例えば、看板、チラシ、ホームページ作成、設備導入にかかる経費が対象となります。
コロナ特別対応型
新型コロナウイルス感染症の影響を乗る越えるため、補助対象経費の6分の1以上が、サプライチェーンの毀損への対応(類型A)、非対面型ビジネスモデルへの転換(類型B)、テレワーク環境の整備(類型C)のいずれかの要件に合致する投資を行う、小規模事業者等の販路開拓や生産性向上の取組む経費の最大3/4が補助される補助金です。
引用:日本商工会議所 小規模事業者持続化補助金コロナ特別対応型サイト
補助金の対象者
日本国内に所在する小規模事業者等(単独または複数の小規模事業者等)が対象となります。
小規模事業者の定義は以下のとおりです。
事業再開枠とは
持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取組を行う事業者が、事業再開に向け、業種別ガイドライン等に照らして事業を継続する上で必要最小限の感染防止対策を行う取組について補助するものです。事業再開枠(50万円以内・定額)として、通常枠にプラスして申請を行うことができます。加えて、クラスター対策が特に必要と考えられる施設で事業を実施する事業者(特例事業者)については、さらに補助金上限を50万円上乗せされます。
特例事業者は以下のとおりです。
・屋内運動施設
・バー
・カラオケ
・ライブハウス
・接待を伴う飲食店
補助率及び補助金の上限
一般型
●補助率
補助対象経費の3分の2以内
●補助上限額
50万円
コロナ特別対応型
●補助率
A:サプライチェーンの毀損への対応・・・補助対象経費の3分の2以内
B:非対面型ビジネスモデルへの転換・・・補助対象経費の4分の3以内
C:テレワーク環境の整備・・・補助対象経費の4分の3以内
●補助上限額
100万円
補助金額の上限額イメージ
引用:日本商工会議所 持続化補助金の手引き 申請に関するQ&A
補助対象経費
一般型及びコロナ特別対応型の補助対象経費は以下のとおりです。
①機械装置等費
②広報費
③展示会等出展費
④旅費
⑤開発費
⑥資料購入費
⑦雑役務費
⑧借料
⑨専門家謝金
⑩設備処分費
⑫委託費
⑬外注費
事業再開枠の補助対象経費は以下のとおりです。
①消毒費用
②マスク費用
③清掃費用
④飛沫対策費用
⑤換気費用
その他衛生管理費用
詳細は日本商工会議所HP 持続化補助金申請に関するQ&Aを参照
受付締切等
一般型
第3回受付締切 | 第4回受付締切 | |
---|---|---|
申請書類送付締切 | 2020年10月2日(金) 【最終日当日消印有効】 |
2021年2月5日(金) 【最終日当日消印有効】 |
採択結果公表 | 2020年12月頃予定 | 2021年4月頃予定 |
補助事業実施期間 | 2021年7月31日(土)まで | 2021年11月30日(火)まで |
コロナ特別対応型
第3回受付締切 | 第4回受付締切 | |
---|---|---|
申請書類送付締切 | 2020年8月7日(金) *受付終了 |
2020年10月2日(金) 【郵送必着】 |
採択結果公表 | 2020年10月末予定 | 調整中 |
補助事業実施期間 | 2021年5月31日(月)まで | 2021年7月31日(土)まで |
実績報告書提出期限 | 2021年6月10日(木) | 2021年8月10日(火) |
申請先
一般型
〒151-8799 代々木郵便局留め
【一般型】日本商工会議所小規模事業者持続化補助金事務局
コロナ特別対応型
〒151-8799 代々木郵便局留め
【コロナ型】日本商工会議所小規模事業者持続化補助金事務局
採択されるコツ
小規模事業者持続化補助金の採択されるコツは、経営計画書(様式2)で市場の動向や自社の強み・課題、経営方針をしっかり説明した上で、自社の販路拡大等の取組と補助金が経営上もたらす効果をPRしていく必要があります。また、下記に掲げる計画内容の申請書も5枚以内に抑え簡潔まとめることをおすすめします。特に重要なところは以下のとおりです。
●企業概況
具体的に販売している商品やサービスなど、事業内容がイメージしやすい様に、売上の構成など、ウエイトが大きい順に表などでまとめ、文章でしっかり企業概況を説明する。
●顧客のニーズと市場の動向
顧客の動向を明確に記載し、市場の動向は、統計調査などで年別の推移がわかるようなグラフを入手可能であれば、貼り付けて文章で説明する。
●自社や自社の提供する商品・サービスの強み
他社に比べて優れている点、顧客に評価されている点をしっかりと記入する。さらに、商品画像や図解など貼り付ければイメージしやすいと思います。
●課題
自社の課題を明確に記載する。この時に申請計画で取り組む内容とリンクさせるのが良いでしょう。
●経営方針・目標と今後のプラン
今後どのような経営方針や目標があるかを可能な限り具体的に記入する。
●新型コロナウイルス感染症による影響(コロナ特別対応型の場合)
定量的な指標(具体的には前年と比較した売上の状況など)を具体的に表などを使い入れると良いでしょう。
●今回の申請計画で取り組む事業名
30文字以内で申請事業タイトルをわかりやすく記載する。
●販路開拓等(生産性向上)の取組内容や効果
ここはしっかりと計画する取組とその効果を記載してPRする。ここが申請する上での肝となるところです。取組に関しては、文章のみでなく、イメージしやすい画像や図解などを交えて作成するのをおすすめします。また、効果に関しては、3年間程度の計数的な計画(売上、売上原価、販売管理費等、営業利益)を記載して、計画数値の伸び(最低でも売上がどのくらい効果があるかを定量的に表す)を示す必要があります。
最後に
コロナ特別対応型は商工会議所等を経由せず申請することは可能ですが、申請書類を提出するには、申請者の事業所を所在する市区町村で相談や対応のできる支援機関(商工会または商工会議所)をインターネットで検索ください。支援機関の会員でなくても支援を受けることができます。
小規模事業者持続化補助金の採択率は、平成30年(平成29年度補正予算)あたりは67.2%に対して、
令和2年・第1回目受付分(一般型)90%
令和2年・第1回目受付分(コロナ特別対応型)81%
令和2年・第2回目受付分(コロナ特別対応型)81.3%
と近年では高採択率となっています。採択されるためには、取組内容などをしっかりとわかりやすくPRすることが大切です。文章のみでなく、グラフや画像、図解などを活用してみてはいかがでしょうか。