コロナ渦の中、持続化給付金や家賃支援給付金などコロナ関連の支援策が打ち出されています。その中の一つが新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業者・小規模事業者に対しての固定資産税・都市計画税の減免があります。今回は適用要件や手続きなど簡単に説明させていただきます。
コロナ関連支援の固定資産税・都市計画税の減免措置とは
新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業者・小規模事業者の税負担を軽減するため、事業者が保有する建物や設備の2021年度の固定資産税・都市計画税を、事業収入の減少幅に応じて、全額免除または1/2とする減免措置です。
中小企業者・小規模事業者とは
●資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
●資本又は出資を有しない法人又は個人は従業員1000人以下の場合
ただし、大企業の子会社等(下記のいずれかの要件に該当する企業)は対象外となります。
1.同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円超の法人、資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人又は大法人(資本金の額又は出資金の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。)から2分の1以上の出資を受ける法人
2.2以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人
対象固定資産
●固定資産税:事業用家屋及び設備等の償却資産
*通常は取得額または評価額の1.4%
●都市計画税:事業用家屋
*通常は評価額の0.3%
適用要件及び減免額
適用要件となる事業収入の減少幅及び減免率は以下のとおりです。
2020年2月~10月までの任意の連続する3ヶ月間の事業収入の対前年同期比減少率 | 減免率 |
50%以上減少 | 全額 |
30%以上50%未満 | 2分の1 |
認定経営革新等支援機関に申告書確認を依頼
新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業者・小規模事業者に対して固定資産税・都市計画税の減免の申告を市区町村へ行う前に、税理士などの認定支援機関において申告書の確認が必要となります。適用手続きについてのスキーム図は以下のとおりです。
■認定支援機関に提出する書類
①申告書
事業収入割合、特例対象資産一覧、中小事業者等であることなどについての誓約などが記載された申告書です。この申告書様式は、市区町が定める様式が必要となりますので、WEBサイトなどで事前に入手してください。申告書の様式例は以下のとおりです。
・申告書表紙例
・誓約事項
・特例対象資産一覧
②事業収入減少を証する書類
会計帳簿や青色申告決算書の写しなど
③特例対象家屋の事業用割合を示す書類
青色申告決算書の写しなど
*認定支援機関による申告書の確認は既に開始しています。
市区町村への申告期限
2021年1月31日
*認定支援機関等で確認を受け、書類を添えて市町村の固定資産税の窓口に申告する必要があります。
例えば、保有特例対象資産が京都府宇治市の場合は「宇治市役所」となります。
市区町村に提出する必要書類
市区町村に提出する書類は以下のとおりです。
①認定支援機関の確認を受けた申告書(原本)
②事業収入減少を証する書類
③特例対象家屋の事業用割合を示す書類
*1 上記の②、③は認定支援機関に提出した書類と同じもの(コピー可)
*2 場合によって提出が必要となる書類は、収入減に不動産賃料の「猶予」が含まれる場合には、猶予の金額や期間等を確認できる書類が必要となります。
最後に
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、上記4で解説した2020年2月~10月までの任意の連続する3ヶ月間の事業収入の対前年同期比減少率となる中小企業者・小規模事業者様は、事業用の特例対象資産を保有する場合には、固定資産税・都市計画税の減免が受けられます。
申告書の提出期限が来年1/31となりますので、市区町村への申告書提出前に、税理士などの認定支援機関に申告書の確認をご依頼してください。特に税理士事務所は、12月~1月は繁忙期となるため、対象となる事業者様は10月や11月ぐらいに依頼しておくことをおすすめします。