京都府は緊急事態宣言が発布されて約2週間近く経ちました。期間は今のところ令和3年2月7日(日)までとなりますが、事業経営も影響が出てきています。このようなポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための経済対策で公表されたのが「事業再構築補助金」です。
これは、中小企業等の思い切った事業再構築を支援する補助金で近いうちに公募が開始されると見込まれています。今回はこの「事業再構築補助金」を簡単に紹介させていただきます。
- 1 事業再構築補助金とは
- 2 対象企業
- 3 補助額及び補助率(中小企業)
- 4 補助額及び補助率(中堅企業)
- 5 公募開始はいつ?
- 6 最後に
事業再構築補助金とは
ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、新規事業展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指すなどを支援する補助金で、次の3つのすべての要件に該当する場合に補助金の申請ができます。
ただし、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金と同様に、申請して採択されなければ補助金を受けられませんので、具体的で相当の事業計画を策定する必要があります。
対象企業
①申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等
②事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等
③補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成
引用元:経済産業省 事業再構築補助金
補助額及び補助率(中小企業)
◆通常枠
補助額 100万円~6,000万円 補助率 2/3
◆卒業枠
補助額 6,000万円超~1億円 補助率 2/3
卒業枠は400社限定です。事業計画期間内に、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠となります。
補助額及び補助率(中堅企業)
◆通常枠
補助額 100万円~8,000万円 補助率1/2(4,000万円超は1/3)
◆グローバルV字回復枠
補助額 8,000万円超~1億円 補助率 1/2
グローバルV字回復枠は100社限定です。以下のすべての要件を満たす中堅企業向けの特別枠となります。
①直前6か月間のうち任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業
②補助事業終了後3~5年で付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること
③グローバル展開を果たす事業であること。
公募開始はいつ?
第3次補正予算案成立が1月中くらいになると見込まれますので、大型補助金であることから早くても2月か3月頃になるのではないでしょうか。
ただし、事前に申請の準備が相当必要ですので、公募要領等は、公募開始前には公表される予定です。
最後に
事業再構築補助金の補助経費は、例えば、飲食店の場合、コロナの影響で客足が減り、売上が減少したので、店舗での営業を廃止。オンライン専用の注文サービスを新たに開始し、宅配や持ち帰りの需要に対応するため、店舗縮小にかかる建物改修費用や新規サービスにかかる機器導入費や広告宣伝のための費用などが対象となります。
上記は例であるため、実際には、飲食業以外でも小売業や製造業など多岐にわたる業種が対象になると見込まれます。
事業やサービスの転換など、多大な動力と工夫が必要になりますが、事業再構築補助金を活用され、公募開始前に具体的な事業計画をしっかりと策定し、申請には、画像は図解などを交えてしっかりとPRできるように準備されることをおすすめします。
*京都 宇治市のケイ・アイ&パートナーズ税理士法人(旧:黒瀬税理士事務所)は認定支援機関でございますが、確定申告時期にあたる2月~3月上旬は、大変申し訳ございませんが、事業再構築補助金の申請サポートを行っていません。ご了承のほどよろしくお願いいたします。