新たに消費税の課税事業者になる個人事業者は、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者届出書」(基準期間用)の提出が必要になります。
そもそも課税事業者とは、基準期間(その年の前々年)の課税売上高が1,000万円を超える人が該当し、2012年分の課税売上高が1,000万円を超えている個人事業者は、2014年分は消費税の課税事業者に該当致します。
また仮に、基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間(個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間)の課税売上高が1,000万円を超える場合等は、その年から消費税の課税事業者となりますので、2013年1月から6月の課税売上高が1,000万円超の個人事業者は、2014年分は課税事業者に該当し、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者届出書」(特定期間用)を提出する必要がある場合がありますのでご注意下さい。
また、基準期間における課税売上高が5,000万円以下の人は、簡易課税制度を選択できますが、2014年分から同制度を適用して申告する場合は、2013年12月31日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を所轄税務署長に提出する必要があります。
簡易課税制度は、「みなし仕入率」により納付税額を計算しますので、多額の設備投資を行った場合などで、一般(本則)課税により計算すれば還付となる場合であっても、還付を受けることはできませんので、簡易課税の適用は慎重に検討して下さい。
さらに、簡易課税制度を選択しますと、事業を廃止した場合を除き、2年以上継続した後でないと選択をやめることはできませんので、あわせて注意が必要です。
また、同選択をやめる場合には、やめようとする課税期間の開始の日の前日までに「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を所轄税務署長に提出する必要があります。
そして、一般(本則)課税で申告する人(簡易課税を選択しない人)は、課税仕入れ等の事実を記録した帳簿及び請求書等の両方の保存がない場合には、仕入税額控除の適用を受けることができませんので、ご注意ください。
ますます消費税の判定が複雑になってきます。課税事業者の判定、さらに一般(本則)課税・簡易課税の有利不利の判定などは注意して下さい。