損益分岐点売上高とは、売上から費用(変動費と固定費)を差し引いた利益が0円になる売上高のことです。損益分岐点売上高は、固定費を限界利益率(限界利益÷売上高)で割ることで求められることができます。
この変動費、限界利益、固定費などをTKCのFX2のサンプル画面で確認してみると以下のとおりです。
簡単に解説しますと…
変動費(仕入高など)・売上の増減に比例して発生する費用
固定費(人件費、地代家賃など)・売上の増減に比例せず、一定に発生する費用
限界利益=売上高ー変動費
では設例で実際に数字を使って計算してみましょう!
設例1 (ショートケーキの限界利益率は?)
ショートケーキは、売価が1個あたり300円で、変動費となる生クリームとスポンジ生地やイチゴなどは、1個あたり240円ですから、限界利益(売上@300円ー変動費@240円)は、1個あたり60円になります。
限界利益率は、限界利益÷売上(@60円÷@300円)ですから、20%となります。
設例2(このショートケーキの1ヵ月あたりの損益分岐点売上高は?)
損益分岐点売上は、固定費÷限界利益率で求めることができるので、ショートケーキにかかる1ヵ月の固定費(人件費、経費)30,000円とすると、この固定費30,000円を限界利益率20%で割った150,000円が損益分岐点売上高になります。
設例3(1ヵ月あたり6,000円の利益を上げるためには、どれだけ売上が必要か?
目標利益が1ヵ月あたり6,000円とすると、(固定費30,000円+利益6,000円)÷限界利益率20%=必要な売上180,000円となります。この売上高に達成するためには、売価が300円ですから、必要な売上180,000円÷1個あたり売価300円=600個となります。
1ヵ月あたり600個販売できれば、6,000円の利益を得ることが出来ます。
設例1~3をご覧頂くとわかるように、損益分岐点売上高とは、利益が0円になる売上高ですから、それでは利益が出せないので、目標利益を加味してください。
損益分岐点の考え方がわかるようになると、「利益を出すためにはショートケーキを何個売らなければならないのか?」「変動費や固定費が変化すれば、利益はどう変化するのか?」などをシミュレーションが出来るようになります。