会社にとって資金繰りは重要です。黒字倒産という言葉を聞きますが、これは会社で利益は出ているが、資金不足が生じて倒産してしまうケースです。
単純な取引例で説明しますと、売上が1億円、仕入が7千万円の取引の場合、単純に利益は3千万円となりますので、損益計算書上では利益が計上されます。しかし、売上が掛取引で1ヶ月後に入金、仕入は現金取引で当月支払いであれば、損益計算書では3千万円の利益が計上されますが、資金繰りは7千万円ショートしてしまいます。
現実には、複合的にいろんな問題があり、上記の例のように単純ではありませんが、この資金繰り改善の代表的な6つの方法を紹介致します。
①売掛金の回収をすすめる
気付けば多額の売掛債権になっていませんか?毎月、得意先別に売掛金の管理を行い、決められた期日通りに入金されているかのチェックが必要です。この時に例えば「3ヶ月間未収リスト」を作成し、重点的に入金督促を行ったりして回収サイクルを正常化していきます。
②在庫を減らす
在庫は資産が現金化されていないまま眠っている状態です。売れ筋商品であっても在庫を常に把握して適正な発注をする。不良在庫は長く抱えず、値段を下げてでも処分するなどを工夫する必要があります。
③前受金ビジネスを行う
商品の提供前などに代金の一部、もしくは全部を受け取るビジネスです。例えば、雑誌の1年間定期購読やエステの年会費などがそうです。前受金を増やすビジネスができるかを検討します。
④買掛金の支払い条件見直し
取引の都合もあり単純に一方的な変更は不都合が出て来る場合があり、慎重に行う必要がありますが、例えば売上の回収サイクルと仕入の支払いサイクルのバランスは合っていますか?売上の回収サイクルが30日、仕入の支払いサイクルが20日の場合は、10日間資金が足りない状態となりますので、売れば売るほど手元にキャッシュが減ることになり、この様なサイクルでは、支払い条件の見直し変更が必要になる場合があります。
⑤現金購入を止めてリースにする
会社のコピー機などの設備機器を現金購入を止めてリースにすることにより資金を安定させる方法です。設備機器を一括購入すると手許資金が減ります。リースにすれば金利は付くものの、月々の支払いとなりますので、現金負担の分散が可能になります。
⑥固定費を変動費にする
外注先の有効活用を検討するのも一つです。例えば製造業で、すべて自社で出来るのは強みにもなりますが、すべて自社でする場合の時間とコストを考え、逆に一部を外注先に出す方が良い場合があります。外注費は、変動費となり、売上に応じて変動しますので、資金負担も抑えられます。
資金繰り改善の代表的な方法を紹介しました。取引内容に合わせて出来る事からはじめてみては如何でしょうか。