平成29年度税制改正大綱が平成28年12月8日に決定されました。この改正で目玉になるのが「配偶者控除の年収要件の引き上げ」です。実現すればパートでも益々働きやすくなるのではないでしょうか。今回は配偶者控除の税制改正の内容や社会保険の130万の壁・106万円の壁を簡単にまとめてみました。
年収150万円の壁!?
平成30年1月より配偶者控除が適用できる年収要件を現行の103万円以下から150万円以下に引き上げられます。また、配偶者特別控除も150万円超から201万円まで控除額が段階的に減るかたちとなり、現行の配偶者特別控除を拡大する形で行うこととなります。
ただし、配偶者控除は世帯主の年収制限が設定され合計所得金額が1,000万円を超えると適用できないこととなります。
*配偶者特別控除も現行制度と同様(合計所得金額が1,000万円を超えると適用できない)。
*改正後の配偶者控除は、世帯主の合計所得金額が900万円超1,000万円以下は下記のように段階的に減少。
年収130万円の壁
現行では年収130万円を超えると、パートでも社会保険に加入義務が生じます。扶養家族を抜けて社会保険を加入すると社会保険料の負担が発生します。
*勤務先の従業員が500人以下の場合など
年収106万円の壁
平成28年10月より年収130万円の壁が下がって106万円の壁となりました。ただし、106万円の壁は「当初は勤務先の社会保険加入者501人以上」の企業に勤務された場合に適用されます。
①勤務時間が週20時間以上
②年収106万円以上
③勤務期間が1年以上
④従業員が501人以上の企業
*上記①~④のすべてを満たす場合は106万円の壁が適用されます。(学生は適用除外)
このようにパートで働く上で年収の様々な壁があります。配偶者控除の所得要件引き上げが成立(H29.3月頃?)しても、大企業にパートへ行かれている場合は別として、実質は社会保険加入義務が出てくる130万円の壁のラインで年収を抑えられる方が多くなりそうです。すべて150万円の壁であれば働きやすくなりそうなのですが、社会保険の財政もあるので厳しそうですね。