建設業許可申請のポイント 申請が緩和されました!

著者:ケイ・アイ&パートナーズ税理士法人
投稿日:2021年05月17日
建設業許可申請のポイント 申請が緩和されました

今回は行政書士事務所での話題です。弊社でも建設業の許可申請を数多くサポートさせて頂いているのですが、新規や業種追加などで要件が少し緩和されました。建設業許可の要件は、4つの要件を備えている必要があり、その要件は「経営業務の管理責任者」「専任技術者」「誠実性」「財産的基礎等」となります。

この中の「誠実性」につきましては、請負契約の締結やその履行に際して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかである場合は、建設業を営むことができません。これは、許可の対象となる法人若しくは個人についてはもちろんのこと、建設業の営業取引において重要な地位にある役員等についても同様にです。

次からは、誠実性以外の3つの要件を中心に、申請が緩和された部分を交えながら説明させて頂きます。

1.はじめに

建設業の許可申請で令和3年1月1日より許可申請書等の押印が不要になりました。押印不要になった代表的な申請書類は以下のとおりです。

・様式第1号 建設業許可申請書
・様式第6号 誓約書
・様式第7号 建設業許可 常勤役員等(経営業務の管責任者等)証明書
・様式第7号別紙 常勤役員等の略歴書
・様式第7号の2 常勤役員等及び当該常勤役員等を直接に補佐する者の証明書
・様式第7号の2別紙1 常勤役員等の略歴書
・様式第7号の2別紙2 常勤役員等を直接に補佐する者の略歴書
・様式第7号の3 健康保険等の加入状況
・様式第8号 専任技術者証明書(新規・変更)
・様式第9号 実務経験証明書
・様式第10号 指導監督的実務経験証明書
・様式第12号 許可申請者(法人の役員等・本人・法定代理人・法定代理人の役員等)の住所、生年月日等に関する住所
・様式第13号 建設業法施行令第3条に規定する使用人の住所、生年月日等に関する調書
・様式第22号の2 変更届出書
・様式第22号の3 届出書(京都府は、令和3年4月1日以降押印廃止)
・様式第22号の4 廃業届  など

引用元:京都府 押印廃止様式一覧

上記に押印が不要になった一覧を載せましたが、新規や業種追加の様式はすべて印鑑が不要となりました。これは、行政書士等が代理申請する場合も同様です。ただし、申請書等への行政書士の職印の押印は必要となります。

2.経営業務の管理責任者

建設業の許可を受けるには、経営業務の管理責任者を主たる営業所に常駐させることが要件となっています。

経営業務の管理責任者になるには、建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること等の要件を満たしてなければなりません。こちらは令和2年10月より緩和されており、それ以前は当該業務に関し経験が必要でありました。

建設業の工事種類は以下のとおりです。

1 .土木一式工事
2 .建築一式工事
3 .大工工事
4 .左官工事
5 .とび・土工・コンクリート工事
6 .石工事
7 .屋根工事
8 .電気工事
9 .管工事
10.タイル・れんが・ブロック工事
11.鋼構造物工事
12.鉄筋工事
13.舗装工事
14.しゅんせつ工事
15.板金工事
16.ガラス工事
17.塗装工事
18.防水工事
19.内装仕上工事
20.機械器具設置工事
21.熱絶縁工事
22.電気通信工事
23.造園工事
24.さく井工事
25.建具工事
26.水道施設工事
27.消防施設工事
28.清掃施設工事
29.解体工事

建設業の経営に関する経験(建設工事の種類を問わないに緩和)について、次に定められた年数を経営等されていれば、経営業務の管理責任者になることができます。

①経営業務の管理責任者として5年以上の経営経験を有すること
②権限のある執行役員等として5年以上の経営経験を有すること
③経営業務の管理責任者に準ずる地位で、6年以上経営業務を補佐した経験を有すること
*補佐経験→例えば、施工部長など

3.専任技術者

営業所には専任技術者を必ず常駐させ、専らその業務に従事する者を置く必要があります。一般建設業の場合、専任技術者は次の3つのいずれかの要件を満たす者がなることができます。

①許可を受けようとする業種に関して、別に定める国家資格等を有すること
②許可を受けようとする業種に関して、10年以上の実務経験を有すること
③高等学校等(又は大学等)で許可を受けようとする業種に関連する学科を卒業した後に、5年(又は3年)以上の実務経験を有すること

実務上は、①または②のケースが多く、①の国家資格等はスムーズに専任技術者になれるのですが、②の実務経験は、10年間の建設工事の実績を記入したり(様式第9号 実務経験証明書)、このうち5年間を工事契約書類等を提示して証明する必要がありますので、少し手間が掛かります。
*①の国家資格等でも、例えば、1年や3年など実務経験が必要なものが一部ございます。

一般建設業 専任技術者 国家資格等の一覧表

専任技術者の資格要件にかかる所定学科一覧表

4.財産的基礎等

建設工事は、資材の購入及び労働者の確保、機械器具等の購入など、一定の準備資金が必要になります。

また、営業活動を行うに当たってもある程度の資金を確保していることが必要です。このため、建設業の許可が必要となる規模の工事を請け負うことができるだけの財産的基礎等を有していることを許可の要件としています。

一般建設業の場合の財産的基礎等の要件は、次の3つのうちいずれかを満たす必要があります。

①自己資本が500万円以上あること
②500万円以上の資金調達能力があること
③直前5年間に建設業許可を受けて継続して営業した実績があり、かつ、現在、建設業許可を有していること

実務上では、①又は②の場合が多いのですが、例えば、新設法人でしたら資本金が500万円以上、既存の会社等は直前期の決算書で自己資本(決算書の貸借対照表 純資産の部)が500万円以上、金融機関で500万円以上の残高の残高証明書などをもって財産的基礎等の証明を行います。

5.許可申請の受付

都道府県によって対応が違う可能性はありますが、コロナ禍の現在は、京都府の場合、申請書類を3部と提示・提出書類のコピーを事前に土木事務所へ郵送して確認を受けてから、窓口で申請や原本提示を行う流れとなります。建設業の許可申請等を行われる時は、事前に土木事務所で確認してください。

また、提示・提出書類で住民票記載事項証明書や営業所の付近案内図、営業所の賃貸借契約書などが不要となりました。

6.最後に

建設業の許可申請等は、申請書類等に押印や住民票記載事項証明書や営業所の付近案内図、営業所の賃貸借契約書などが不要になったり、経営業務の管理責任者の建設業の経営に関する経験は建設工事の種類を問わないに緩和されました。また、コロナ禍特有の事情で申請等が郵送等の事前確認が必要になったりしていますのでご注意ください。

京都・宇治市のケイ・アイ&パートナーズ税理士法人 黒瀬行政書士事務所では、建設業の新規許可申請や業種追加、決算変更届、建設業の更新申請などサポートさせて頂いてます。お気軽にご相談ください。

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