5月も半月が過ぎ、春の税務調査シーズンが終盤に近づいた今日この頃です。最も税務調査が多い9月~10月の次に多いのが、この4月~5月です。この時期の特徴は、税務調査が早期に終わる場合が多いことでしょうか。7月が異動の時期にあたる影響だと考えられます。今回は税務調査が入った時に準備しておく資料・ポイントなどを簡単に説明します。
準備しておく資料
■ 総勘定元帳
■ 現金出納帳
■ 預金通帳
*会社の場合、代表者個人の預金通帳も確認されることがあります。
■ 手形帳
■ 請求書、注文書、納品書、領収書、作業日報
■ 固定資産台帳
■ 各種契約書類(売買・請負・賃貸など)
*収入印紙の調査も併せて行われる場合があります。
■ 源泉徴収簿、給与明細書控
*源泉所得税の調査も併せて行われる場合があります。
■ 議事録
上記の書類は一般的に必要なものを記載しました。業種や会社の状況により不要なものや、上記以外にも必要な書類がある場合がございます。会社の標準的な調査は、直近の決算期まで3年分の書類が必要となります。事前に帳簿等をチェックしながら揃えてください。
税務調査のポイント
税務調査のポイントは業種によっても違いますが、その一例は下記のとおりです。
■ 掛売上計上時期(期ズレ注意)
■ 売上計上漏れ
■ 棚卸資産計上漏れ
■ 架空人件費、源泉所得税徴収漏れ
■ 接待交際費、福利厚生費(個人的な支出がないかなど)
■ 修繕費、消耗品費のうち資産計上すべきものがないか
■ 減価償却資産の耐用年数
■ 貸倒損失(損金算入の要件を満たしているかなど)
■ 契約書で印紙が必要なものに貼付けされているか
■ 消費税の課税区分など計算誤りはないか
よく税務署より指摘されやすい代表的なところをピックアップしてみました。
平成26年から現在までの税務調査が多かった業種は、「建設業」「インターネットビジネス」が多いように思います。いずれにしましても、日ごろ書類整理・記帳をしっかりしていれば心配することはありません。逆に、どんぶり勘定や適当な申告をしていますと、税務調査が入って多額の追徴課税!ということもありますので、きちっとした記帳・書類整理を心掛け、節税できるところは事前に対策してみてはいかがでしょうか。