確定申告の集計していくのに迷うのが「勘定科目」です。この経費はどんな科目になるの?この取引は?。。。
会計ソフトを利用する場合でも同じことが言えます。入力項目としては「日付」「勘定科目」「適要:相手先・内容」「金額」なのですが、このうち日付・摘要・金額は領収書などに記載されているので入力しやすいです。しかし、勘定科目は迷うことが多いのではないでしょうか。
今回は、この「勘定科目」の個人事業向けのものを確認していきましょう。(損益計算書勘定科目)
売上科目
[売上高・売上金額]
商品を販売、サービスの提供などの収益を計上するのに使用する勘定科目。これは一番馴染みがある勘定科目でしょう。
[家事消費]
商品などを家事のために消費したり、贈与した場合に通常の販売価額で計上する勘定科目。ただし、販売価額のおおむね70%の金額と仕入金額のいずれか多い方の金額を記帳している場合は、その金額とすることができます。
[雑収入]
本来の営業収益以外の収益を処理する勘定科目。たとえば、店舗の前に設置した自販機手数料・廃材などの売却代金など。
*個人事業の場合は、預貯金の利息、受取配当金は事業の収益として処理しません。源泉税も天引きされています。事業所得で収益計上すると二重課税となり損することになりますので注意してください。
売上原価科目
[期首商品(製品)棚卸高、期末商品(製品)棚卸高]
この科目は基本的には日々使用するのではなく、決算時のみ棚卸(在庫)金額を表示するのに使用します。この棚卸なのですが、年末で売れ残った商品・製品、半製品、仕掛品の金額を計上する科目です。期首商品(製品)棚卸高は前年末日の棚卸金額、期末商品(製品)棚卸高は当年末日の棚卸金額を計上します。
[仕入高・仕入金額]
商品を仕入れた時に計上するのに使用する勘定科目。これも一番馴染みがある勘定科目でしょう。
経費科目
[租税公課]
事業用車両の自動車税、収入印紙、個人事業税、税込経理している場合の消費税など。
*所得税、住民税、加算税、延滞税は含まれません。(経費にならない)
[荷造運賃]
運送業者への支払い、宅急便代など。
[水道光熱費]
電気・ガス・水道料金など。
*職場兼自宅の場合で、電気メーターが同じ場合は合理的な方法で家事使用分との按分をお忘れなく。
[通信費]
切手、郵送料、電話代、携帯電話、インターネットプロバイダー料金など。
[広告宣伝費]
フリーペーパー宣伝費、折込み広告の費用、求人広告、名刺代など。
[接待交際費]
得意先・取引先などの接待飲食代、お中元・お歳暮、お祝い金、香典など。
[損害保険料]
事業用車両の自動車保険、事業用建物の火災保険、損害賠償責任保険など。
[修繕費]
事業用自動車の修理代、機械装置の修理代など。
*性能を向上させるような改良等は減価償却資産となる場合がありますので注意してください。
[消耗品費]
帳簿、文房具、用紙、包装紙、ガソリン、使用可能期間が1年未満か取得価額が10万円未満の什器備品の購入費など。
[減価償却費]
事業用の建物、車両、備品などを耐用年数に応じて経費処理していく勘定科目。
[福利厚生費]
従業員の慰安、医療、衛生、保健などのために事業主が支出した費用や事業主が負担すべき従業員の健康保険、厚生年金、雇用保険などの保険料や掛金など。
[給料賃金]
給料、賃金、退職金、食費や被服などの現物給与。
*専従者に支給した給与は給料賃金で計上しない。別科目である専従者給与で計上する。
[外注工賃]
修理加工などで外部に注文して支払った場合の加工賃など。
[利子割引料・支払利息割引料]
銀行からの借入利息(事業用資金)、手形割引料など。
[地代家賃]
店舗、工場、倉庫等の敷地の地代や店舗、工場、倉庫等を借りている場合の家賃など。
[貸倒金]
売掛金、受取手形、貸付金などの貸倒損失。
[雑費]
事業上の費用で他の経費に当てはまらない経費。
上記の説明は青色申告決算書に表示されている損益計算書の勘定科目の内容を簡単にまとめたものです。
会計ソフトを使用されている場合は特にそうなのですが、税務申告以外でも前年と比較して経費の増減など見る場合には、勘定科目を使用するのにルールを決めておくことをおすすめします。
前年は「消耗品費」、今年は「雑費」。。。など年によって同じ取引が違う勘定科目で処理されると比較がしにくくなります。
この時期、事業者の方は、確定申告の集計作業をされていると思いますので、ご参考にして頂ければ幸いです。