小規模企業共済の有効活用

著者:ケイ・アイ&パートナーズ税理士法人
投稿日:2013年01月16日

小規模企業共済とは?

一定の小規模企業の役員や個人事業主が引退・廃業した場合に備えて個人で任意に加入する「経営者のための退職金制度」です。
加入要件は、常時使用する従業員の数が20人(商業、サービス業は5人)以下である企業等の役員及び自営業を営む個人であり、本人以外でも、共同経営者である配偶者や後継者も2名を限度に加入することができます。
掛金月額は1,000円~70,000円の範囲で500円刻みで加入することができ、この共済金は事業を廃止した時、役員を辞任した時、65歳以上となった場合などに支給されます。また、解約はいつでも可能ですが、掛金納付月数が12ヶ月未満の場合などは掛捨てとなります。

過去の記事:資金を残せる節税対策1 『小規模企業共済』はこちら


 

税制上のメリットは?

①掛金は全額所得控除
法人や個人事業主が使用人に支払った掛金は報酬や給与となりますが、個人事業主が自分にかけた掛金同様、全額「小規模企業共済等掛金控除」として支払った年において所得控除できます。

②「退職所得控除」の恩恵
共済金は「一時金」として受給するのが原則であり、この場合「退職所得」として扱われ、「退職所得控除」の恩恵を受けられます。
尚、途中解約した場合は原則「一時所得」となりますが、解除の日が65歳以上の場合は上記通り「退職所得」として扱われます。

③「公的年金等控除額」の恩恵
共済金を一時金ではなく「分割(年金)」で受け取ることもできますが、この場合は「公的年金等の雑所得」として扱われ、「公的年金等控除額」の恩恵が受けられます。但し、「分割」を選択出来るのは共済金額が300万円以上の場合です。

④両方の恩恵
更に、共済金額が330万円以上の場合は「一括受取」と「分割受取」の併用を選択することができます。
例えば、共済金額が2,000万円で役員任期年数が20年の経営者(65歳以上)が辞任した場合、まず一時金で800万円受給すれば、退職所得控除額は40万円×20年=800万円となり退職所得0円に、そして残額1,200万円を年間120万円の分割(期間10年の年金)で受領すれば、毎年の公的年金等控除額は120万円となるのでこの分に関する雑所得も0円になります。併用することによりダブルの恩恵を受けられることになります。

カテゴリ:節税

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