9月になり少し過ごしやすくなってきましたね。今年も9ヶ月が過ぎようとしていますが、個人事業者の方は、会計の期間が毎年1月~12月となり、令和元年は残すところ3ヶ月と少しになりました。今年は例年より売り上げが好調だなぁ!事業用の預金が増えている!って方は会計処理を早いめに進めて所得予想を計算してみてはいかがでしょうか。今回は個人事業者対象にお金を残せる節税対策をご案内致します。
小規模企業共済
個人事業主などのための退職金積立制度です。
■掛金月額
1,000円~7万円まで。全額所得控除となります。
*上記の範囲で増額または減額もできます。
■共済金のお受取り
原則、掛けた金額以上の共済金が受け取れます。
*任意解約や掛けた期間が1年未満の場合など、掛金合計額を下回ることやない場合があります。
■受取時の税務上の取り扱い
・一括受取り 退職所得扱い
・分割受取り 公的年金等の雑所得扱い
*併用も可能
・任意解約 一時所得扱い
■取扱機関
▶中小機構
*詳細は中小機構のHPをご参照ください。
経営セーフティ共済
取引先が倒産した際に連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐ制度で、無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れでき、掛金は損金または必要経費に算入できる税制優遇も受けられます。
■掛金月額
5,000円から20万円まで。全額が必要経費となります。
■解約手当金のお受取り
解約の手続きをすることで、掛金の掛金総額と同額の解約手当金を受け取れます。(納付月数が40ヶ月以上の場合)
*納付月数が12か月未満の場合、解約手当金は受け取れません。また、納付月数が40か月未満の場合は、受け取れる金額が掛金総額を下回ります。
■解約時の税務上の取り扱い
個人の場合は事業所得の収入金額となります。
*解約時に所得が大幅に減少する年や大きな経費支払などがある年に解約することをおすすめします。
■取扱機関
▶中小機構
*詳細は中小機構のHPをご参照ください。
iDeCo 個人型確定拠出年金
確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。ご自分で申し込み、ご自分で掛金を拠出、自らが運用方法を選び、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受けることができます。また、掛金、運用益、そして給付を受け取る時には、税制上の優遇措置が講じられています。
■掛金月額
掛金月額5,000円~6万8千円まで。全額所得控除となります。
*減額や増額は可能ですが、原則、60歳まで途中の引出し、脱退はできません。また、国民年金基金にも加入している場合は、その掛金と合わせて6万8千円以内となります。
■年金のお受取り
掛金を納めた期間に応じた年金が将来支給されます。
■年金受給時の税務上の取り扱い
・一括受取り 退職所得扱い
・分割受取り 公的年金等の雑所得扱い
*併用も可能
■取扱機関
▶iDeCo公式サイト
*詳細はiDeCo公式サイトをご参照ください。
国民年金基金
老齢基礎年金に上乗せする第1号被保険者(個人事業主)のための公的な年金制度です。
■掛金月額
掛金月額上限は6万8千円まで。全額所得控除となります。
*減額や増額は可能ですが、最低でも5,000円以上の加入が必要となります。また、個人型確定拠出年金にも加入している場合は、その掛金と合わせて6万8千円以内となります。
■年金のお受取り
掛金を納めた期間に応じた年金が将来支給されます。
■年金受給時の税務上の取り扱い
公的年金等の雑所得扱い
*遺族の方が受け取る一時金は非課税です。
■取扱機関
▶国民年金基金連合会
*詳細は国民年金基金連合会のHPをご参照ください。
節税例
例えば、小規模企業共済・経営セーフティ共済・iDeCoを1年間最高額で掛けた場合には…
840,000円+2,400,000円+816,000円=4,056,000円
1年間で400万円の経費・所得控除ができますので、大幅な節税効果が得られます。
その場合、概算ですが所得税率33%・住民税10%の方ですと
1年間で概算170万円前後の節税をすることが可能です。
1年間の前払いもできますので、今からでも1年分の節税効果を得ることができます。
これを機会にご検討されてみてはいかがでしょうか。
iDeCoと国民年金基金は合算して掛金月額の上限が6万8千円となります。