固定資産のうち取得価額が10万円以上で耐用年数が1年以上のものは、耐用年数に応じて数年間かけて経費化されていきますが、この『中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例制度』は、青色申告者が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、取得した事業年度において全額経費処理することできる特例制度です。
ケーススタディ
減価償却資産:例 コピー機(耐用年数5年)パソコン(耐用年数4年)軽自動車(耐用年数4年)etc
消費税込の会計処理している青色申告の個人事業者が、H24年1月に29万円のコピー機を購入した場合の経費処理の例は、下記のとおりです。
(通常)29万円×0.200(耐用年数5年の定額法償却率)=58,000円 H24 58,000円 H25 58,000円・・・と通常は耐用年数に応じて、各年度58,000円づつ減価償却費として経費化されていきます。
(特例を利用した場合)取得価額29万円全額がH24年度で経費処理!
このケーススタディーのように、通常は数年間かけて経費処理されていくのですが、青色申告者は、この特例を利用されますと、30万円未満の減価償却資産を取得した場合、取得した事業年度において全額経費処理することできます。利益が多額になる事業年度などに有効に活用されてみてはいががでしょうか。
適用要件等の詳細は、以下のとおりです。
対象となる方
青色申告書を提出する個人事業者または資本金1億円以下の中小企業等
対象となる資産
取得価額が30万円未満の減価償却資産
*取得価額が30万円未満かどうかの判定は、適用している消費税等の経理処理方式に応じて判定することになります。つまり、税抜経理方式を適用している場合は、消費税等抜きの価額が取得価額となり、税込経理方式を適用している場合は、消費税等込みの価額が取得価額となりますので注意して下さい。
措置の内容
取得価額の全額を損金算入できます。ただし、特例の対象となる損金算入額の上限は年間300 万円までとなります。
手続きの流れ
確定申告書等に必要事項を記載し、少額減価償却資産の取得価額に関する明細書の 添付をした上で最寄りの税務署に申告します。
適用期間
平成26年3月31日まで