事業を行っていると取引の記録を帳簿へ記載していきます。いわゆる記帳を行っていくわけですが、この記帳をなぜ行うのか?税務申告に必要であるから…確かに、税務申告のベースになるのが会計帳簿です。申告期限間際に遡って1年分の帳簿を作成しているというお話をよくお聞きしますが、果たしてこれで良いのでしょうか?日々記帳することの必要性を再度確認していきましょう。
経営状況が数値でリアルタイムに把握できる
現金取引、銀行取引、掛取引など個々に必要な帳簿を記帳して、合計残高試算表(貸借対照表、損益計算書)を作成します。この試算表は、会社の財政状況・経営成績を把握をする上で大切な帳票です。前月までの業績かどうだったか?資金繰りは?など確認できますし、前年同月との比較や予算値比較などを行い、分析・チェックすることができます。このような業績の把握を1年に1回ではなく、出来る限り月毎に行うのが望ましいでしょう。
さらに、記帳出来ているという事は、入金予定・支払予定を組みやすくなりますので、資金繰り管理にも大変役立ちます。
現金管理の重要性
現金取引がある場合には、「現金出納帳」を日々記帳していきます。銀行取引は預金通帳や当座照合表、掛取引は、請求書や納品書といった記録が残っていますので、記帳しやすいのですが、この現金出納帳は、記帳しないと記録が残らないので、あとで記帳することは大変です。
日々の入出金の取引を記帳して「残高」を計算していきます。現金出納帳の残高は、手許の現金有高と一致します。これを後から何ヶ月も遡って作成…というのは不可能に近いです。これが合わないと会社の帳簿の信用度が落ちる場合があり、例えば、有りもしない現金が会社の財産に上がってしまったりしますと、金融機関との取引に支障が出てきたりします。
さらに、社員に現金管理を任せているときなど、あとで管理者がチェックする時にも重要となります。現金取引がある場合は、必ず日々現金出納帳を記帳していきましょう。
漏れや誤りを無くせる
例えば、3ヶ月や4ヶ月の取引をすべての取引を覚えてられますでしょうか?1年後はどうですか?…
まず難しいですよね。帳簿を遡って作成していますと、取引の計上漏れや誤って記帳してしまったりする可能性が高くなってきます。このように漏れや誤って記帳していますと、税務調査の時に追徴課税を受けたり、逆に不要な税金を払ってしまったり、金融機関で融資申込時に指摘されたりと経営上大きな問題になったりします。
税務申告や会社の財政状態・経営成績の正しい把握のためにも、記帳は日々行いましょう。
記帳は従来は手書きで行っていましたが、現在では便利な会計ソフトが安価で市販されています。記帳の手段として会計ソフトをご利用されてみてはいかがでしょうか。案外すんなりと習慣づきますよ!
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