不動産購入時の会計処理

著者:ケイ・アイ&パートナーズ税理士法人
投稿日:2021年08月02日
不動産購入時の会計処理

不動産を購入した時に悩まれる場合が多いのが会計処理です。この支払は経費になるのか?建物の取得価額になり減価償却?など掛かる経費が多様で会計処理に迷われることと思います。今回は不動産取得時に想定される附随費用を中心に会計処理を簡単に説明させて頂きます。

1.建物の取得価額及び減価償却

不動産売買契約書や工事請負契約書、附随費用の領収書などを確認して会計処理を行います。減価償却資産となる建物の取得価額は以下のとおりです。

建物の取得価額=固定資産の購入代価+附随費用※

※附随費用は取得価額に含めるものと取得価額に含めないことができるものがあります。詳しくは3.以降で解説します。

建物購入時の会計処理の仕訳例

法人が鉄筋コンクリート造の建物を1億円で取得、仲介手数料3百万円ともに普通預金より振込した。

借方(建物)103,000千円 / 貸方(普通預金)103,000千円

仲介手数料3百万円は建物の取得価額に含めなければなりません。(支払手数料などで支払い時に経費処理不可)
詳しくは3.以降で解説します。

減価償却費の計算及び仕訳例

建物の取得価額 103,000千円
構造:鉄筋コンクリート造
用途:事務所
耐用年数:50年(償却率0.020) 減価償却方法:定額法
法人決算期:12/31決算
取得時期・事業の用に供した日:7/1

減価償却費の計算
103,000千円×0.020×6月/12月=1,030千円

決算時の仕訳例(直接法

借方(減価償却費)1,030千円 / 貸方(建物)1,030千円

2.土地建物一括取得 取得価額の按分

中古物件を購入した場合には、売買価額が土地と建物とに区分されていないことが多いです。このような場合に、どのように土地と建物に区分するかというと、「時価の比」により購入価額をそれぞれ按分して求めていきます。

この場合の按分計算等に用いられる数値は以下のとおりです。

①固定資産税評価額・・・それぞれの評価額で按分計算
②不動産鑑定士による鑑定評価額・・・それぞれの鑑定評価額で按分計算
③路線価(0.8で割り戻し→公示価格)・・・路線価を0.8で割り戻して土地の価額を求め、残額を建物とする
④建物の標準的な建築価額・・・標準建築単価より建物の価額を求めて、残額を土地とする

どの按分方法が有利なのかも考慮する必要がありますが、合理的な区分という観点から、実務上では①又は②の方法がよく用いられます。

消費税の計算上も建物は課税仕入、土地は非課税仕入となり異なりますので、しっかり区分を行いましょう。

土地建物按分計算例

固定資産税評価額の比で取得価額を按分する場合の計算

取得価額:103,000千円(区分・消費税記載なし)
建物固定資産税評価額:10,000千円
土地固定資産税評価額:40,000千円

建物:103,000千円×10,000千円/(10,000千円+40,000千円)=20,600千円
土地:103,000千円×40,000千円/(10,000千円+40,000千円)=82,400千円

固定資産税評価額は、市区町村役場の固定資産税課で入手したり、不動産会社が仲介している場合には、所有権移転登記などの関係で、固定資産税評価証明書の控えを持っておられることもあります。それぞれの評価証明書を入手して計算を行ってください。

3.仲介手数料

不動産を購入する場合に不動産会社に対して支払う仲介手数料(最大 売買価格×3%+6万円+消費税)は、土地と建物に按分して、それぞれの取得価額に含まれます。
按分計算は、土地・建物の売買価格の比(2.の場合は、土地建物按分計算例を参照)で行います。

4.固定資産税の清算金

固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税されることから、不動産売買した年は売主が固定資産税を納付することになります。そのような事から不動産の取引は、未経過の固定資産税に相当する金額を計算して清算することが一般的です。売主に支払った固定資産税清算金は売買価格の一部とみなされ、それぞれの取得価額に含まれます。

5.司法書士報酬

不動産を購入する時に、土地・建物の所有権移転登記や銀行借入がある場合に抵当権設定登記を司法書士へ依頼されることになります。このような所有権移転登記費用や抵当権設定登記費用は、取得価額に含めないことができる付随費用です。したがって、個人事業者の場合は必要経費の額、法人の場合は損金で計上することができます。

6.収入印紙

不動産の売買契約書は印紙税の課税文章にあたり、不動産の売買価額に応じて売買契約書に収入印紙を貼ることになります。この収入印紙は、課税文書の作成に伴う費用となりますので、個人事業者の場合は必要経費の額、法人の場合は損金で計上することができます。

7.不動産取得のための借入金利子

不動産を取得するにあたり、銀行などで借入を行い利息を含み返済を行っていきます。この不動産の使用開始前に支払った借入金利子は、取得価額に含めないことができる付随費用です。したがって、個人事業者の場合は必要経費の額、法人の場合は損金で計上することができます。

8.不動産取得税

不動産を取得した場合に都道府県より課税される税金です。不動産取得税は、取得価額に含めないことができる付随費用です。したがって、個人事業者の場合は必要経費の額、法人の場合は損金で計上することができます。

9.火災保険及び地震保険

銀行融資で不動産を購入する場合、融資期間を保険期間とした火災保険や地震保険を加入します。支払った火災保険料や地震保険料は、個人事業者の場合は必要経費の額、法人の場合は損金で計上することとになります。

ただし、保険期間の全期間を一括払いしたような場合には、当年(当期)に対応した金額のみを必要経費の額(損金)に計上することになります。未経過の保険料は「前払費用」として次年度以降へ繰り越していきます。

10.最後に

このように不動産購入時には、売買契約書などで土地・建物の金額が区分されているかを確認を行い、附随費用は、取得価額に含める経費・含めないことができる経費かを整理してから会計処理を行っていきます。

利益(所得)が多くでる時は、取得価額に含めないことができる経費は、その年に経費処理を行い節税をすることができますので、ご参考にしてください。

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