確定申告(所得税・個人事業)のご相談でよくお聞きしますのが、「帳簿の記帳が大変では?」「税務調査が良く入るのでは?」「簿記の知識がないと無理なのでは?」です。昨今は、弥生会計やfreeeなど入力が簡単にできる会計ソフトがありますので、比較的簡単に記帳ができます。特に平成26年1月よりすべての白色申告者に記帳・保存の義務化がはじまっていますので、記帳に手間をかけるなら「青色申告」をおすすめします。
青色申告を選択した場合は、次のような特典があります。
(詳細はこちら・過去の記事)
(1)青色申告特別控除(65万円又は10万円)
(2)青色事業専従者給与(専ら従事、労働の対価として適正な金額であれば必要経費)
(3)貸倒引当金(一括評価・事業遂行上生じた貸金に対して5.5%が必要経費、金融業は3.3%)
(4)純損失の繰越しと繰戻し(赤字の3年間繰越控除、純損失の繰り戻し・前年分の所得税還付)
それでは青色申告の帳簿書類などを確認していきましょう。
青色申告の帳簿書類
青色申告の記帳は、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような正規の簿記(一般的には複式簿記)によることが原則ですが、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでもよいことになっています。
*弥生会計やfreeeなどの会計ソフトでは、このような帳簿をすべて作成することが出来ます。手書きの場合ですと、転記(その帳簿から他の帳簿へ写す作業)が大変で間違いを起こしやすいのですが、会計ソフトを利用することにより各帳簿へ自動で連動しますので、作業時間も省けて便利です。
青色申告の帳簿書類保存
原則として7年間保存することとされていますが、書類によっては5年間でよいものもあります。
青色申告の申請手続
青色申告の申請をする人は、その年の3月15日まで(その年の1月16日以後に新規に業務を開始した場合は、業務を開始した日から2か月以内)に「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出してください。
青色申告なので帳簿があり、税務署調査が入りやすいということはありません。しっかりと記帳していれば問題はありませんし、なにより事業を行っていく上で、実績を数値でも把握していくことは重要です。売上高がどれぐらいとか、利益がどの程度出ているというところは把握しやすいですが、キャッシュフローはわかりにくい部分もあります。利益は出ているのだが、お金が残らない。。。よくお聞きします。
税金の特典を受けるためだけでなく、数値面でも経営管理をこれを機会に実践してみてはいかがでしょうか。