今回は所得税の確定申告で間違いが起こりやすいポイントを確認していきましょう。この間違いが起こりやすいポイントは事業所得者を中心として説明しています。
■白色事業専従者給与
定額で経費になると思いがちなのですが、次のうちいずれか低い方の額が必要経費となります。
①50万円(配偶者の場合は86万円)
②事業所得、不動産所得及び山林所得の金額(専従者控除前)の合計額÷(専従者の数+1)
■配偶者控除、扶養控除
専従者給与(白色・青色)に該当して、その給与が年103万円以下でも配偶者・扶養控除をすることができません。
■貸借対照表も付けていないのに青色申告特別控除を65万円引いている
65万円の特別控除を適用するためには、一般的には複式簿記による帳簿を作る必要があります。青色申告特別控除額が10万円、65万円であるかは慎重に判断してみてください。
■青色事業専従者給与
青色事業専従者給与は税務署に届け出た金額の範囲で支給する給与です。届け出していない場合は必要経費になりませんので注意してください。また、専ら従事・適正金額であるかなどの要件も気をつけてください。
■納付した所得税、住民税
前年分の所得税・住民税を納めたときに租税公課に含めて経費処理しているのをよく見掛けますが、これらは経費となりません。ただし、事業税や事業用物件の固定資産税は経費となります。
■売上を現金主義で集計している
売上代金が入金された時に売上計上しているのをよく見掛けますが、売上計上は原則、発生主義により計上を行います。(現金主義による所得計算の特例を受けることの届出をして適用要件を満たしている場合を除く)
例えば、平成25年12月25日に商品を販売して、その代金は平成26年1月31日に回収しています。この場合、回収日の平成26年1月31日で売上計上するのではなく、商品を販売した日である平成25年12月25日に売上計上します。
■前払いで支払った経費
その年中に支払えばすべて経費になると勘違いされている場合が多いです。経費の前払いは原則その年の経費でなく、翌年に役務の提供等を受けるのであれば翌年に経費とします。例外的に、支払った日から1年以内にサービスの提供を受けるものについては、短期前払費用の特例という取扱いがあり、支払った年に経費計上することが出来る場合があります。この場合には、継続適用や等質・等量のサービスであることなどの要件がありますので注意してください。
■借入金の元金返済やクレジットの分割代金
借入金の元金返済などを経費で計上しているのをよく見掛けますが、この元金部分(利息を除く)は経費にはなりません。
確定申告の相談会などで、よく見掛ける確定申告の間違いポイントの一部をご案内致しました。参考にして頂ければ幸いです。一度ご確認してみてください。