今年も所得税の確定申告が終わったこのシーズン、例年4~5月頃は税務調査が多くなります。では、税務調査はどのような事をするのか?通常であれば事前連絡があり、日程調整を行った上で、当日、税務調査官が1~2名で訪問されて、原始帳票などから申告内容が正しいのかを調査して行きます。今回は税務調査によってよく確認される項目をまとめてみました。
税務調査の重点項目
業種によって重点項目が違ったりしますが、一般的に共通するものをまとめてみました。
[売上]
■ 掛売の期ズレ(決算〆後の請求書で決算内に納品したものがないか)
■ 現金売上計上漏れ
■ 掛売が入金基準で計上されていないか
■ 除外している売上はないか
■ 売上の計上基準は正しいか など
[仕入・外注]
■ 在庫(商品・原材料・仕掛品・製品・未成工事支出金など)になるものはないか
■ 外注費支払いで給与に当たるものはないか
■ 架空の仕入れ、外注費支払いはないか など
[人件費]
■ 架空や名義貸しによる人件費はないか
■ 親族に対する給与支払の実態や支払額などが適正か
■ 扶養控除等の申告書の提出があるか(源泉税の関係で提出なき者が乙欄で徴収されているか) など
[経費]
■ 架空の経費がないか
■ 代表者などのプライベートな支出が混じっていないか
■ 前払費用ではないか(短期前払費用の適用を受けるものを除く)
■ 減価償却資産が正しく認識されているか、耐用年数は正しいのか など
[その他]
■ 契約書等に印紙が貼られているか
■ 消費税の課税売上・課税仕入が正しく認識されているか
■ 代表者などのプライベートの預金に事業に関わる入金などがないか など
税務調査の対応
通常は直近3年間の税務調査が多いのですが、過去の取引について調査官から質問された時は、慌てずじっくりと書類を見ながら確認して受けごたえを行ってください。また、わからない?思い出せない?という事は即答をさけて、調べてから後日答えるようにしましょう。見解の相違などにより余分な税金を払わなければいけなくなる場合もあります。迷う時は、税理士に相談することをおすすめします。当事務所では、税務調査からの関与も行っていますのでお気軽にご相談ください。