これから年末に向けて忙しくなり、残業をする機会が増える場合があります。そんな残業の時に会社が負担する食事代の税務上の取扱いについて説明致します。
残業した社員に対して食事代を支給する3つのケース
(参考例)
①食事そのものを支給
②食事代として金銭を支給
③社員が立替た食事代を支給
実質的には同じようでも、取扱いが異なってきます。
①の場合は、連日社員に食事を用意して支給したならば、食事代を会社が負担したことになるため、「福利厚生費」としての取扱いとなります。対象となる社員とは、通常の勤務時間外における勤務として業務を行った者に限定します。
②のように、残業した社員に対して、会社が残業食事代として金銭による支給をした場合は、食事を支給したことにはなりません。支給額がすべて「給与」として取り扱われ、源泉所得税の対象となります。一方、深夜勤務者に対する一定の金額については、課税されないこととなります。
③の場合は、多少事情が異なります。立替払いした金額を会社が負担したものであれば、「福利厚生費」として取り扱われます。この場合、社員は飲食店から会社名が入った領収書をもらっておく必要があります。
上記①、③の場合でも、豪華すぎる場合は「交際費」となるケースもあります。また、交替制勤務である者の夜間勤務である場合など、その時間が通常の勤務時間である場合は、そこで支給される食事は残業食には該当せず、昼食等と同じ取扱い(給与課税)となりますので、取扱いには注意が必要です。