前回の記事に続いて所得拡大促進税制のお話です。この所得拡大促進税制は平成29年度税制改正により税額控除がさらに拡大します。新設法人や給与等が増加している法人(個人事業者を含む)で法人税等(個人事業者の場合は所得税等)の納付額が出ている場合には検討される価値ありの節税対策となります。
改正前の内容は前回の記事を参照してください。
決算時にできる節税対策!!
改正内容
適用年度の平均給与等支給額が前期比2%以上である場合、前事業年度からの増加額の12%が上乗せされます。
税額控除限度額*=平成24年度比増加額×10%+前期比増加額×12%(上乗せ部分)
*法人税額の20%(大企業は10%)を上限
この上乗せは平成29年4月1日以後に開始する事業年度から適用となります。
計算例
青色申告の中小企業者等の場合(事業年度:4.1~3.31)
適用年度の雇用者給与等支給額 (H29.4.1~H30.3.31)25,000,000円①
・継続雇用者一人あたりの平均給与 416,666円④
前事業年度の雇用者給与等支給額(H28.4.1~H29.3.31)15,000,000円②
・継続雇用者一人あたりの平均給与 312,500円⑤
基準年度の雇用者給与等支給額 (H24.4.1~H25.3.31)14,000,000円③
適用年度の法人税額(税額控除前)12,000,000円⑥
要件1:(①−③)÷③=0.7857≧0.03 ∴該当
要件2: ①≧② ∴該当
要件3:(④−⑤)÷⑤=0.3333≧0.02 ∴上乗せ該当
●税額控除適用可能
(①−③)×10%+(①−②)×12%=2,300,000円≦⑥×20%=2,400,000円 ∴税額控除額 2,300,000円
これが改正前ですと(①−③)×10%=1,100,000円≦⑥×20%=2,400,000円となり税額控除額が1,100,000円となります。このように税額控除額が倍以上になるので節税効果が高くなりました。
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