経済産業省のホームページで、会社の経営状況の把握、いわゆる健康診断を行うツール「ローカルベンチマーク」略してロカベンが公開され、無料で利用することができます。具体的には、エクセルシートになっており、財務情報(6つの指標)と非財務情報に関する各データを入力することにより、会社の経営状態を把握することで経営状態の変化に早めに気付き、早期の改善につなげていくものです。
わかりやすい財務分析結果
このように会社の状態が6つの指標で分析、3年間の比較ができるグラフも表示され、1枚の見やすい帳票です。
6つの指標
①売上持続性(売上増加率) 計算式:(売上高÷前年度売上高)-1
売上は、会社の血液ともいえる資金の源泉であり、売上増加率は企業の成長ステージ(創業~成長段階、衰退~再生段階)を判断するための有用な指標になります。
②収益性(営業利益率) 計算式:営業利益÷売上高
営業利益率は、会社の本業における収益性を判断する重要な指標になります。
③生産性(労働生産性) 計算式:営業利益÷従業員数
成長力、競争力を評価する指標で、キャッシュフローを生む収益性の背景にある要因と考えられます。
④健全性(EBITDA有利子負債倍率) 計算式:(借入金ー預貯金)÷(営業利益+減価償却費)
有利子負債がキャッシュフローの何倍かを示す指標であり、有利子負債の返済能力を測る指標です。
⑤効率性(営業運転資本回転期間) 計算式(売上債権+棚卸資産ー買入債務)÷月商
過去の数値との比較や、売上増減との比較から、運転資本の増減を図り、回収や支払等の取引条件の変化による必要運転資金の増減を把握する指標です。
⑥安全性(自己資本比率) 計算式:純資産÷総資産
総資産のうち、返済義務のない自己資本が占める比率を示す指標です。自己資本の増加はキャッシュフローの改善にもつながります。
ロカベンは、会社と金融機関との対話ツールとして使われ始めてますので、ご興味のある方はご利用されてみてはいかがでしょうか。3期分の決算書をもとに数値入力項目も絞られているので簡単です。