従来は会社の取引を振替伝票などの伝票や現金出納帳などの帳簿を手書きするのが当たり前でした。現在では、弥生会計やfreee・crewといったクラウド会計を利用して記帳をまとめていく会社が増えてきています。
これは、手書きの場合には「日付、勘定科目、取引先・取引内容、金額などの手書作業」「転記作業」「集計作業」などに多く時間割かれますし、何より複式簿記となりますので、経理担当者のスキルが重要でした。
会計ソフトやクラウド会計を利用すれば経理業務が効率的に行え大幅な時間削減となり、かつ、簡単に入力できます。しかし、いくら簡単に入力できましてもデータが正確でなければ意味のない事になります。今回は「記帳の3つの基本」を注意点を中心に解説致します。
現金取引
現金で入金・出金した取引を「現金出納帳(金銭出納帳)」に時系列に記帳(入力)していきます。
■記帳(入力)する内容
日付・相手勘定科目・取引先・取引内容・金額など
■記帳(入力)に使う帳票類
領収書控、領収書、預金通帳など
*勘定科目は、売上取引であれば「売上高」、経費取引であれば「仕入高」「通信費」「交際費」などを記載(入力)します。
■注意点
・経費支払いを記帳(入力)する時に、クレジットカードで決済した領収書を誤って記帳(入力)しない。誤って入力すると重複する場合があるので注意が必要です。
・現金残高管理はしっかりと!日々、記帳(入力)していくうちに、現金勘定の残高が実際に手許にある現金と大きく違ってきたというお話はよくお伺いします。この現金残高が大幅に違ってきた場合に、計上漏れや間違いが伴ってきますので、税務上のリスクはもちろん、現金残高が過大になったりすると役員貸付金にまわったりする場合があるのですが、金融機関の評価は現金や役員貸付金残高を除かれたり、融資時に問題になるケースが見受けられます。したがって、現金残高は日々手許にある実際の現金有高としっかりと合わせていくことが大切です。
預金取引
預金で入金・出金した取引を「預金出納帳(銀行帳)」に時系列に記帳(入力)していきます。
■記帳(入力)する内容
日付・相手勘定科目・取引先・取引内容・金額など
■記帳(入力)に使う帳票類
当座照合表、預金通帳、振込明細、クレジットカード明細など
■注意点
・日々「当座照合表」「預金通帳」と帳簿の残高が一致しているかを確認する。
・会計ソフト・クラウド会計で「預金→現金、現金→預金」取引を入力する時は、現金出納帳か預金出納帳のどちらか一方で入力するルール決めをしてください。両方で入力しますと取引が重複します。
・預金ごとに記帳(入力)します。会計ソフト・クラウド会計で入力する場合は「補助登録」で金融機関・口座ごとに管理するのをおすすめします。また、預金の種類ごとに管理する。(当座預金、普通預金、定期積金、定期預金など)
掛け取引
売上や仕入などを掛け取引している取引を「売掛帳・買掛帳」に時系列に記帳(入力)していきます。
■記帳(入力)する内容
日付・相手勘定科目・取引先・取引内容・金額など
■記帳(入力)に使う帳票類
請求書控、請求書(領収書控、領収書、預金通帳、振込明細など)
*カッコ書きの帳票類は、会計ソフト・クラウド会計で先に現金取引・預金取引で入力している場合は不要。
■注意点
・よくある間違いですが「売上」「仕入」取引など、入金した時・支払った時に記帳(入力)されています。現金商売であれば間違いでないのですが、掛け取引している場合には、基本は商品を納品時・サービスの提供完了時に「売上」「仕入」などを計上する必要があります。
・値引き、返品・割引などの記帳(入力)漏れに注意。
・請求書控や請求書に残高の記載がある場合は、帳簿残高と必ず合わす。
会計ソフトやクラウド会計での入力記帳はこの3つの取引が基本となります。これらの入力を確実にすれば約95%以上の記帳が出来ているといっても過言ではありません。実務上では、給与支払取引やクレジットカードの取引で少し悩まれる場合がありますが、これらについても今後の記事でご案内したいと思います。
また、Q-TAX京都宇治店 ケイ・アイ&パートナーズ税理士法人(旧:黒瀬税理士事務所)では、弥生会計やCrew・freeeといったクラウド会計の導入支援やサポートを行っていますので、お気軽にお問合せください。