路線価とは、国税庁が公表している道路に面した標準的な宅地の1㎡あたりの価格です。この価格は毎年7月に発表され、相続税・贈与税の算定基準として使われます。例えば、1月に発生した相続でも12月に発生した相続でも、その年の7月に発表された路線価を用いて計算します。
路線価の調べ方は、国税庁のWEBで閲覧することが可能です。当事務所の地元であります京都府宇治市近郊の路線価図をダウンロードしてみました。そのサンプルは以下のとおりです。
このように道路上に値段が表示されいて、単位は千円で一平方メートルあたりとなります。1坪あたりではありませんのでご注意ください。
それでは京都府宇治市で観光名所でもある宇治橋近くの宇治橋商店街に面している土地を仮定して、簡単に路線価の見方や計算方法を説明致します。
具体例として上図のオレンジ枠部分の土地が200㎡と仮定した場合の土地評価の簡易的な計算は次のとおりです。
①当該土地が面している道路の路線価を探す。(赤い太線枠部分)
②オレンジ枠の宅地が面している道路の路線価・・・140C
140Cの左右に線が引いてあり、矢印(細い赤マル線部分)までの道路に面している土地は1㎡あたりの価格は140,000円ということになります。数字の後ろに記載があるCは借地権を計算するときに使います。(A~Gまであり、借地権割合が90%~30%まで変化します)一般的な宅地を評価する場合は、この記号は影響しません。
③路線価が記載されているまわりの図形と印・・・サンプルの地点は普通商業・併用住宅地区
図形や印によって高度商業地区、繁華街地区、普通商業・併用住宅地区、中小工業地区、大工場地区、普通住宅地区のいずれに該当するか確認することが出来ます。この地区は評価に影響してきますので計算例で説明します。
[宅地評価計算例]
オレンジ枠の宅地200㎡の計算
140,000円×200㎡=28,000,000円
簡易な計算ですと、この宅地の相続税評価額は28,000,000円となります。
正確な相続税評価は、奥行きの距離よって定められている奥行価格補正率、角地の場合の側方路線影響加算料率、正面と裏側が道に面している二方路線影響加算料率、土地の間口が狭い場合の間口狭小補正料率、間口に比して奥行きがある奥行長大補正料率などを考慮して計算します。
オレンジ枠部分の土地が側方の路線価130Cに面している角地の場合は、側方路線影響加算率を考慮しなければなりません。この加算率を見る時など、③で説明しました地区が関係してきます。
オレンジ枠の宅地の地区は、普通商業・併用住宅地区であり、角地の加算率は0.08となります。
側方路線が130Cとなると仮定した場合の評価額計算は次のとおりです。
(140,000円+130,000円×0.08)×200㎡=30,080,000円
このように角地や二方路線の場合は宅地の価値が上がるとされて加算率があり、逆に奥行きが長かったり、間口が狭い場合などは価値が下がるとされて、補正率により減額されます。京都市の中心街は「うなぎの寝床」と言われることがあるくらい、間口狭小・奥行き長大の補正率を使って評価が減額されることが多いです。
この例では単純計算で簡易に説明しましたが、実際の評価は複合的に影響してくることもありますので、専門家である税理士へご相談ください。